試聴 part2

できあがったスタンドを使ってセッティングして聴いてみました。ずいぶん高く見えますが、この部屋にはソファーなどはなく事務椅子に座って聴くので、これでもまだユニットは耳の高さよりちょっと低いです。

スタンドができあがるまで、右chは低い金属ラックの上に、左chは床に直置きで鳴らしていました。このときは、なんだ、エレキベースの量感も結構あるじゃない。比べたから見劣り(聴き劣り?)しただけか、という印象で、ダクトの塩ビ管を替えてみると、結構レスポンスよく変化していました。43mm(fb=70Hz)というのは中途半端であまりよくわかりませんでしたが、72mm(fb=60Hz)は、かなりくっきり低域の量感が上がる感じがしました。

しかし、スタンドに載せてみると、やはり床に直置きと比べて低音が出なく(ではなく聴こえなく、が正確ですね)なり、ダクトを替えてみても、反応は今ひとつです。一方、高域は、リビングで聴いたときは、FT38Dに比べて、こもった感じだったんですが、スタンドに載せて、ユニットの中心が、ほぼ耳の方向を向くようになると、かなりはっきりしました。試しに立ったり座ったりしてみると、はっきり違っています。というわけで、リビングで高域が不満だったのは、セッティングの問題でした。

左右の間隔が狭い分、音像はこじんまりしてしまいました。大がかりな模様変えはしないで、とりあえずできる範囲でいっぱいまで左右の間隔を広げてみたところ、まだこじんまりではありますが、かなりのびのびとした感じになりました。楽器の位置もピンスポットでわかるようになり、こりゃすごいゼ! という気分です。

ダクトチューニングは、30mm(ただしダクト径61φ、つまり塩ビ管なし。fb=114Hz)、43mm(fb=70Hz)、72mm(fb=60Hz)と試し、スタンドに設置してしまうと、あまりはっきりしないものの、床に直置きでは72mmが一番いい印象でした。となると、もっと伸ばせばもっといいのか、ということになり、一度通り越してベストへ戻るところまでは見届けたいので、93mm(fb=55Hz)、112mm(fb=50Hz)の塩ビ管を切り出してみました。112mmにしてみると、エレキベースはいい感じです。ジャズのウッドベースも量感だけじゃなく質感も改善されて感じ…と思ったんですが、アドリブで高い音階になると、どうも中抜けがあるようです。なかなか難しいです。そこで技術の力を借りることにしました。日本オーディオ協会制作のAUDIO TEST CD-1というのを持ち出してきて、スイープ信号を鳴らしてみました。すると、ダクトをどの寸法にしても、大なり小なりディップがありました。112mm(fb=50Hz)と93mm(fb=55Hz)は、20Hzからのスイープを鳴らして、聞こえ始めるのが30Hzの辺りで、どちらも100Hzちょいのところにディップがありました。ディップの谷は112mmの方が深く落ちています。72mm(fb=60Hz)と43mm(fb=70Hz)は、同様に聞こえ始めが40Hzの辺り、ディップの位置は変わらず100Hzちょいの辺りですが、ダクトが短くなるほど、谷は浅くなります。塩ビ管なしでは、聞こえ始めが52Hz、ディップは120Hz辺りに感じられました。この結果を踏まえて、さらにしばらく音楽ソースを聴きながら考えた結果、93mmでしばらく腰を落ち着けてみることにしました。

切るときに斜めになってしまった分を修正します。

これだけ斜めになっています。

何回か切って慣れたのか、ほぼまっすぐに修正できました。

バッフルの穴は1mmのクリアランスをとってあるので、塩ビ管を差し込むと、これぐらいすき間が開きます。