試聴 part1

早速リビングへ持ち込み、スピーカ切り替え器を挿入して、10ウン年前に作ったFW127+FT38Dのダブルバスレフと聴き比べてみました。ダクトとりあえずは61φx30mm、つまり塩ビパイプを挿入しない状態です。

まずはFMの局間ノイズを聴いてみました。意外にもFE167Eの方が太い音で、高域はFW127+FT38Dの方がスーっと上まで伸びている感じがしました。

ノイズを聴くために作ったスピーカではないので、CDをかけてみます。

最初はソニー・ロリンズの"セント・トーマス"(アルバム:サキソフォン・コロッサス)。FE167Eの方が元気がよく、勝ちでした。聴いてみるまでは、16cmとはいえフルレンジ1発、しかも素直なバスレフで大丈夫たろうか? という不安があったんですが、ベースは、FW127+FT38Dよりむしろ、くっきり聴こえます。

次はビル・エヴァンスの"マイ・フーリッシュ・ハート"と"ワルツ・フォー・デビー"(アルバム:ワルツ・フォー・デビー)。ピアノとベースはFE167Eの方が前に出てくる感じですが、個人的にこのアルバムのキモだと思っているドラムのブラシワークはFT38Dに負けています。

続いて大貫妙子の"森のクリスマス"(アルバム:Comin' Soon)、"横顔"(アルバム: PURE ACOUSTIC PLUS)。ボーカルはFE167Eの方が魅力的ですが、伴奏は、これまたFT38Dの方がきれいに聴こえます。スピーカそのものよりセッティングに起因していそうな気がしますが、"横顔"ではFE167Eの方が定位感がピンスポットでくっきりしているような気がしました。

今度はレベッカの"フレンズ"(アルバム:REBECCA LIVE SELECTION 2)。FW127+FT38Dの方が迫力があります。ジャズのベースはFE167Eの勝ちという感じだったんですが、ロックの低域はFW127+ダブルバスレフが威力を発揮したようです。

それからウィーン・フィルハーニモック/カラヤンで"木星"(ホルスト、惑星)。オーケストラもFW127+FT38Dの方がきれいに聴こえて好印象です。それとこの曲でも、コントラバスの、FE167Eでは聴こえなかった音が、FW127+FT38Dだと聴こえました。

その後はオルフェウス室内管弦楽団の"主よ、人の望みの喜びよ"(アルバム:パッヘルベルのカノン/オルフェウス・バロック・コンサート)。この辺りから、小型同居人の妨害工作も激しさを増し、よくわかんなくなってきましたが、"木星"同様に、FW127+FT38Dの方が、きれい、という感じがします。

続いて、同じ"主よ、人の望みの喜びよ"と"星条旗よ永遠なれ"を佐渡裕&シエナ・ウインド・オーケストラ(アルバム:ブラスの祭典)で聴きます。どちらとも言いがたいんですが、強いて言えば、"主よ、人の望みの喜びよ"は、きれいさでFW127+FT38Dの勝ち、"星条旗よ永遠なれ"は、ブラスの濃厚さではFE167E、シンバルの抜けのよさはFT38D、といったところでしょうか。

最後に熱帯JAZZ楽団の"マンボ・メドレー"(アルバム:ライブ・イン・ヨコハマ)。元気のよさではFE167Eですが、迫力と歯切れのよさはFW127+FT38Dです。レベッカでも感じたように、ウッドベースのピチカートはFE167Eの方がしっかりしていますが、エレキベースは一転してFW127+ダブルバスレフが威力を発揮します。

全体的な感想ですが、FW127+FT38DからFE167Eに切り替えると、高音がこもった感じになるのがかなりはっきりわかり、まるでCDからカセットテープに切り替わったのか、と思うぐらいです。FE167(E)の作例では、よくFT17Hあたりを載せていますが、切り替えながら聴いてみると、たしかに欲しくなります。逆に低音は、切り替えながら聴いてみると、FW127+FT38Dの方が、か細い感じなんですが、エレキベースやオーケストラの低域では勝っていて、面白いです。FE167Eの方は、今のところ、ダクトを可調整範囲の一番上で聴いているので、ダクトチューニングでどこまで変わるのか楽しみでもあります。切り替えながら比べてしまうと不満な点も出てきてしまいますが、一方的な優劣というのではなく、両者にそれぞれ得手不得手があって楽しかったです。一言で言ってしまうと、FE167Eは元気のいい音、FW127+FT38Dはすっきりときれいな音というところですね。間に合わせに使っていたFE103バスレフのような不満はなく、昔の人がロクハン、ロクハンと言ったのもわかる気がします。もっともFE167E自体は、かなり最近の製品ですが。

ときどき、サーチエンジンで検索なさって、このページだけをご覧になる方がいらっしゃるようですが、試聴 part2のページでダクトチューニングの経過/結果とセッティングを済ませた後の音についてコメントしていますので、そちらも併せてご覧下さい。