大型同居人の意向により、我が家のリビングのテレビは、厚みが薄くなった代わりに画面の面積が大きくなり、その脇に置いていたFT-38D+FW127のダブルバスレフはダウンサイジングを迫られました。
大義名分ができたので、第n+2作目のスピーカを作ることにしました。
今回のコンセプトは
です。
この3つの条件を満たそうとすると、バスレフが無難なように思います。バスレフにするのであれば、ユニットは10cmクラスのフルレンジがよさそうです。今回は、このごろ世間で人気のあるTang Bandのラインナップから選んでみることにします。
この時点で日本で簡単に入手できそうな10cmのフルレンジは
の3機種です。Googleで検索すると、W4-930SGについてはたくさんのページがヒットするのに、他の2機種については、通販サイトの商品情報のページぐらいしかヒットしません。聴いてみて気に入ったのを買って帰るつもりで、CDを何枚か持って麻布オーディオとコイズミ無線へ出向いたんですが、どちらにも試聴できるシステムはなく、麻布オーディオの店員さんに相談してみました。
エンクロージャの容積を訊かれたので、置き場所の都合で7lぐらい、と答えると、W4-657SHを「強くお勧めします」と言われました。W4-930SGは「15lぐらいないと鳴りませんから」とのことです。炭山アキラさんの「入門スピーカー自作ガイド」という本にW4-930SGを使った5lの作例が載っていて、結構よさそうなことが書いてあったので、意外でした。店先でしばらく悩んだんですが、結局、スペックを眺めて落ち着いて考えることにして、その日は何も買わずに帰りました。
「入門スピーカー自作ガイド」には、f0≒Fs、m0≒Mms、Q0≒Qtsとして旧JISパラメータの式で計算しても、概ね近似できるという趣旨のことが書いてあるので、W4-657SHの諸元を代入して計算すると、内容積は2lとなります。また、spedで計算してみると、4.15lとなります。
結局、ユニットを知り尽くしている(はずの)人のアドバイスを重視し、W4-657SHを7l程度の箱に入れることに決めました。板取をいろいろ考えてみると、内寸15cm×24cm×26cmで内容積8.6lという寸法が、寸法、内容積、板取の効率のどれもよさそうです。ただ、側面の寸法がほぼ正方形になってしまい、教科書的には「よくない」とされていますが(定在波が出やすいのかな?)、ダクトやユニットの張り出しで回避できるだろうと楽天的に想像し、いいことにしました。
ユニットを買いに行ったときに、店員さんにダクト径のお薦めを訊いてみたところ、40φか50φでもいい、と言われました。25φか30φぐらいのつもりで居たんですが、それぐらいだと風切り音が出て、ボーボー言ってしまう、という話でした。50φなら前回の残りがあって、ちょうどいい、と思って長さを計算してみたんですが、端数はダクト自身とユニットの出っ張りで目減りする分ということにして内容積を8l、ダクト径50φでf0bを50Hzに設定するとダクト長は26cmになってしまいます。40φなら16cmで収まります。そこでダクトの内径は40φに決めました。
こんな経緯で、今回は設計のかなりの部分を自力ではなく麻布オーディオの店員さんに言われるがままに決めてしまいました。