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試聴編

でき上がったので、リビングに運んで結線します。CDプレーヤはDiscmanのライン出力(うちのはヘッドフォンとは独立してライン出力があります)、アンプはエレキットのTU-870です。

まずは前回の経験を生かし、テストCDでスイープ信号を流してみました。ダクトはピークやディップを感じることなく、うまくつながっているようで、ひと安心です。

さっそく、製作中から完成したら真っ先に聴こうと決めていたRCサクセションの「よォーこそ」(RHAPSODY)をかけたところ、時刻が夜のやや遅めだったこともあり、客席の歓声と清志郎のシャウトが聴こえたところで、イントロも始まらないうちに、小型同居人に「うるさい」と言われてしまい、大型同居人にも同調されてしまったので、すごすごとストップボタンを押し、控え目のボリュームでラザレフ/ボリショイ交響楽団の「くるみ割人形」から「序曲」と「行進曲」(チャイコフスキー3大バレエ名曲集)、アンサンブルクラルテの「愛の挨拶」などをちょろちょろっと聴いて店仕舞いにしました。

このときの第1印象は、何か表情が硬いというか、よそよそしいというか、うるおいがない音だなぁ、という感じでした。

数日後、家族の留守を狙って仕切り直し。まずは「よォーこそ」のリベンジからです。このときは、近所には迷惑にならない程度にボリュームを上げています。低域はエレキベースの音の粒立ちがよく、期待していなかっただけに意表をつかれた感じです。ちょっと曇った印象ですが、それを除くと元気のいい音で、なかなかの物です。

その後、「くるみ割り人形」の「序曲」と「行進曲」、Zoot Sims/Al Cohn/Phil Woodsの「Lover Come Back To Me」(A Night At The Half Note)、アンサンブルクラルテの「愛の挨拶」、「ワルツ『春の声』」、Miles Davisの「Dear Old Stockholm」(Vol.1)、宮川彬良&大阪市音楽団の「マツケンサンバII」、「ゲバゲバ90分」、ショルティ/ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団の「威風堂々 第1番」を聴いてみました。

設置場所がリビングということで、フリースタンディングにできず棚の中に押し込まざるを得なかったので、最初からあきらめてはいたんですが、奥行感はあまり感じられません。

Miles Davis Vol.1はソースのレンジが狭いので不足は感じませんが、他の盤は、やはり高域が物足りません。W4-657SHのf特を見ると、見事に15kHzでスパンと落ちています。もう若くない(具体値は秘す)ので、15kHzまで出ていれば大丈夫か、と思っていたんですが、ぼくの耳は、まだ結構若かったようです。下の方はしっかり出ていて、大満足です。10cmフルレンジという物に対する認識を改めました。ボリュームを上げると割といい感じなんですが、会話の邪魔にならないBGM、という程度のボリュームだと、初日にも感じた、うるおいのなさが気になります。この先のエージングで、どこまで変わるのか気になります。

能率が88dBなので、構想段階では心配していなかったんですが、もしかするとTU-870ではドライブし切れていないのかもしれない、と思い、自分の部屋へ運んでFE167Eとつなぎ替え、CECのCD3300RとTriode/SUNVALLEYのVP-mini88 MKIIで鳴らして、「くるみ割り人形」の2曲を聴いてみたところ、ボリュームを割としぼっても、リビングで聴いたときのような不満は全然感じず、FE167Eと取り替えて常用してもいいぐらいと思うぐらいの、いい音で鳴りました。上の方もスカッと出ています。ということは、耳の方は…?

これではCDプレーヤ、アンプ、部屋の3つの要素を一度に変えてしまったことになるので、切り分けようと思い、CD3300Rを自分の部屋からリビングに持ち出してきてTU-870にCD3300RとDiscmanとを両方つなぎ、入力スイッチを切り替えながら聴いてみました。

最初は、うん、やっぱりCD3300Rの方がDiscmanよりいいなぁ、と思ったんですが、聴いている内に段々Discmanでもそこそこ聴ける音になってきました。エージングで、これだけ急速かつ大幅に変わったんでしょうか? これでは他の装置をとっかえひっかえしても、訳がわからなくなるばかりなので、もう少しDiscmanとTU-870の組み合わせで静観することにします。

その後、しばらくしたら、何ら不満のない音色になりました。そこで、TU-870の6BM8を、electro-harmonixから、かねてから温存してあったNEC製に換えてみました。

このNEC製6BM8、もしかすると、ちょっと珍品かもしれないのでご披露します。

ラジオ少年で頒布してもらった物なんですが、NECがSAMSUNGにOEM供給した球のようです。球自体にはSAMSUNGというプリントしかありませんが、箱にはNEC SUMSUNGと印刷されています。勝手な想像ですが、当時は彼の国では、NEC製というと、威光があったんでしょうか? 6BM8という型番は印刷ではなくスタンプが押されているので、他の球も供給されていたんでしょうね。

で、音なんですが、音色は正直なところ、違いがよくわかりませんが、前後方向の広がり感に違いが出ました。多分セッティングのせいだと思いますけれど、奥行きは左右のスピーカを結んだ線のところで行き止まりで、それ以上遠くは感じられないんですが、手前方向への張り出し感が感じられるようになりました。